【万博特集】「チョコレートが創る未来の世界って!?」テーマプロデューサー宮田裕章×ショコラティエ大石茂之×ライフスタイリスト大田由香梨トークショー

閉幕まであとわずかとなった「大阪・関西万博」。
2025年10月1日、万博会場内「静けさの森」にて「チョコレートが創る未来の世界って!?」をテーマとしたトークイベントが開催され、テーマプロデューサー 宮田裕章さん、ライフスタイリスト 大田由香梨さん、そしてメリーチョコレートのトップショコラティエである大石茂之シェフが登壇しました。

イベントでは、大石シェフが経験した過去の失敗談から、チョコレート開発に対する姿勢の他、現在の活動や未来についても語られました。
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大石茂之シェフ
大石さんは1995年に入社。大学で学んだ「発酵学」をいかせるのでは?とチョコレートの会社を選んだそう。
そんな大石さんが、ショコラティエに転身するきっかけとなったのが、2000年「サロン・デュ・ショコラパリ」の遠征メンバーに選ばれた事。

*2015年「サロン・デュ・ショコラパリ」にて撮影。
当時は、今では日本のアイコンとして海外のショコラ界でも大人気の「抹茶のガナッシュ」が、フランス人に全く受け入れられなかった…など苦労もあったそうですが、徐々に知名度を上げ、2019年には「C.C.C.(世界的なチョコレート愛好家クラブ)」より「Les Meilleurs des Meilleurs(the Best of the Best)」に選出されるなど、世界に認められるシェフ、ブランドに。

「苦い!」と床に吐き出されることもあったという、抹茶のガナッシュ。会社が力を入れた1粒だっただけにショックも大きかったそう
「すだちと薔薇」を体験
「日本独自の素材も、2006年頃から徐々に認められるようになってきて…」という大石シェフのお話の後、「インターナショナルチョコレートアワード世界大会 2021-2022」で金賞を受賞した「すだちと薔薇」が試食として配られました。

「すだちと薔薇」は、マダガスカル産のカカオとボリビア産のカカオに徳島県産のすだち果汁を加え、さらに愛知県西尾の食用薔薇、日本酒が使われた1粒。

封を開けた瞬間、クンッとした強いカカオの酸味を感じるパワフルな香り。
センターは滑らかなガナッシュ。すだちの酸味は、鋭角でありながら、薔薇と日本酒のおかげでしょうか、ヴェールがかかったようでもあります。

「橙も考えたのですが、その繊細さが薔薇と相性が良かったのが、すだちを選んだ理由」と大石シェフ。
宮田さんが「新しい香りのレイヤーを作った日本のショコラティエの1人」と評する大石シェフらしい1粒でした。

チョコレートで地産地消の活動
和の素材の組み合わせの妙に感動した後、宮田さんから「新しいチャレンジは?」という質問がありました。
それに対し、大石シェフは、自身が足を運び調達したローカルな素材を使ったチョコレートをその地域の百貨店で販売するという取り込み「てとてショコラ」を紹介。

今後のバレンタイン催事(あべのハルカスにて、奈良県のほうじ茶を使用した1粒…?)にも登場する予定、とのお話もありました。
実はもともと、定期的に酒蔵や農家に行き素材をチェックしているという大石シェフ。

その行動力について問われると「もともと好きなんです。食事として。チョコが一番じゃないというのが逆に原動力になっているのかもしれない」と語ります。
さらに今後については「日本食のコースのようなものを1粒のチョコで表現できたら楽しいかもしれない」といった内容でも盛り上がっていました。

「チョコを媒体にして日本の食、世界の食の文化のやりとりがあるかもしれないですね」と語る大田由香梨さん
最後は、宮田さんが「食べることで世界とつながる…食のつながりから世界を考える…。今回その一連の流れを万博という場所で皆さんと一緒に考えられました!」とメッセージ。
食とチョコが持つ、人と人を繋ぐポテンシャルについて改めて思いをはせることができた、そんなトークショーでした。
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