60万円の超高級やかん!高いのにナゼ売れる?新潟県燕市「玉川堂」
突然ですが、みなさまのおうちにある「やかん」、いくらで買い求めました?
「ハリオのちゃんとしたヤツだからちょっと高いわよ、4000円!」という主婦の方や、中には「ダイソーで買ったから100円…」なんていう学生さんもいらっしゃるかもしれません。
しかーし!今日ご紹介する「やかん」は、高い物だと60万円を超える超高級品。
だけど、半年待ち?海外でも大絶賛されている…。
というワケでこの記事では、そんなやかんを世に送り出す、伝統工芸 鎚起(ついき)銅器メーカー「玉川堂」と、そのプロダクトについてお届けしたいと思います。
スポンサーリンク
新潟県燕市にある「玉川堂」を訪ねます
玉川堂に向かうべく、東京駅から新幹線で1時間50分、燕三条駅にやってまいりました。
玉川堂はここから車で約5分。燕市という場所にあります。
この地では近郊の弥彦山から質の良い銅が採れる事から、銅の加工が盛んにおこなわれてきました。それが、現在、金属加工の一大産地として知られる燕市のオリジンでもあります。
登録有形文化財 玉川堂で
こちらが玉川堂の建物の入口↓
店舗ショールームや鍛金場などの作業場、お庭を含む大きな日本家屋は、なんと登録有形文化財。
創業200年という老舗感がドバドバあふれてます。
いよいよ作業場に!鎚起銅器のすごさを見学
営業の方から、詳しい説明を聞きつつ、まずは鍛金&彫金の現場を見学。
広い畳敷きの空間には、鎚を銅にぶつける「とんとんかんかん とんかんかんかん」という小気味よい音が響きます。
玉川堂の金属加工の特徴は、鎚起銅器(ついきどうき)というそう。
鎚起というのは、その名の通り、金属を鎚で叩いて起こし、形作る技法です。
↓一枚の銅板がやかんになる過程を、こんな風にわかりやすく見せて下さいました。
にわかには信じがたい変化です(笑)
一体、何回たたけば完成するのか?「いや、数えたコトがないので…」と明確な答えはいただけなかったものの、数万回という単位になるコトは想像に難くありません。
これに、玉川堂にしかできない着色や、彫金を施し、世界に一つだけのやかんが生まれる…。一枚板から作るやかんは接合して作る物の、10倍のお値段。
ただし大変な人気だそうで、中には納期までに半年を要する品も。
30万~60万を超えるやかんたち。右下の「湯沸 口打出 漆 梨地 籐巻(1.9L)」は、お値段64万8000円。
「一生使えるんですもんね」というと、「いえ、孫の代、その先まで使えるんです」とのお答え。
なるほど、それは高いのに売れるハズです。
写真は、燕市産業資料館に展示されていた、5代 玉川覚平による「沸口打出銀銅二重張」
ちなみに、玉川堂には現在18人の職人さんが在籍しており、17人が鍛金を担当、残りの1人が彫金を担当しています。
昔は彫金師の方が位が高い、とされていたそうで、その名残で作業場の高さも彫金場が一段高くなっています。
さて、次の作業場を訪れると、先ほどよりもずいぶんと若い職人さんが、取っ手などの作業をしていました。
玉川堂の職人さんの半分は20代、30代の若い人たち。女性の姿も多くみられました。
TV番組「報道ステーションSUNDAY」にて、こちらで活躍する25歳の女性職人が紹介されたことも。
ショールームを兼ねている上品なお部屋では、使い込まれた鎚起銅器のやかんを見ることも出来ます!
平日なら5人以下なら予約なしで見学も可能です。
時間は朝9時くらいから17時くらいまでなら大丈夫です、とのこと。興味のある方はぜひ足を運んでみて。
詳しくは、http://www.gyokusendo.com/にてチェックを♪
さて、次は↓玉川堂のその他の商品について紹介してみたいと思います。
玉川堂のさまざまなプロダクト
冒頭からご紹介しているヤカン以外にも、玉川堂にはたくさんのプロダクトがあります。
「まずは体験したい…!」という人におすすめなのが、一万円台から購入できるロックカップやぐい呑み、タンブラーなどのコップ類。
基本的にネット通販では手に入らない玉川堂ですが、

銅器のコップは、ビールなどの冷えたものを飲むのにもピッタリ。
「僕は端麗辛口の日本酒を飲むのが一番うまいと思うんです。」とは、燕市産業史料館 主任学芸員の齋藤優介さん。
銅は熱伝導がステンレスの25倍なので、お湯の沸きがはやい、というだけでなく、冷たい飲み物を入れた瞬間にコップ自体も冷える、なんていうメリットもあるんです。
その他…女性から歓声が上がっていたキュートな花器も見逃せない。
問い合わせ先:燕市観光協会
東京にも直営店が!
「欲しいけど、新潟は遠いわ…」とあきらめていた方に朗報。
青山
去年夏に、本店以外では初めての直営店「玉川堂 青山店」がオープンしてるので、首都圏のみなさんもぜひチェックを!
住所:〒107-0062 東京都港区南青山5丁目11-5 住友南青山ビル1階
(地下鉄・表参道駅出口「B1」より徒歩3分・骨董通り沿い)
電話:03-5778-3020
営業時間:11:00~20:00
定休日:火曜日
GINZA SIX
銀座にできた新しい商業施設「GINZA SIX」内にも、玉川堂が!
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目10-1
東京メトロ 銀座線・丸ノ内線・日比谷線「銀座駅」A3出口 徒歩2分
東京メトロ 浅草線・日比谷線「東銀座駅」A1出口 徒歩3分
店舗には、銅で出来たテーブルクロスがあったり…と見どころ満載。
銀座に立ち寄った際はぜひ。
スポンサーリンク