熊川哲也監督!新作バレエ「マダムバタフライ」を見てきた!
(C)Hidemi Seto
Kバレエカンパニーの熊川哲也さんが日本人芸術監督としておくる、新作バレエ「マダムバタフライ」。
当サイトでも既報として制作発表の様子をお届けしましたが、9月27日、渋谷のオーチャードホールにて無事開幕しました。
初日の模様を、専門家2名がレポートします。
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熊川氏の偉業に拍手を
ライター オーロラバレエ主宰・大川由紀子
「Kバレエカンパニー 初日のマダムバタフライ、観させて頂きました。
冒頭の水兵さん達の群舞の踊りには少々驚かさせましたが、和のシーンに転換してからは落ち着きを取り戻し、重くなりがちな和に、軽やかな着物衣装と優雅な踊りで非現実な世界観が見事に醸し出されていたように思います。
ロミジュリのような、蝶々夫人とピンカートンの出会い、そして結婚式の後は、マノンのベッドシーンのように次々に飽きないような演出。
でも私は、この作品にはまだまだ伸び代があるのでは、と感じます。
『歳を重ねると人は成長する』『人間として完成していく』『本来の和の世界』『色調』『艶やかさ』『粋』…
まだまだ進化しそうな同舞台、今後 日本を代表するバレエ作品になる事でしょう。
熊川氏の偉業に拍手を送ります。」
(C)Hidemi Seto
(C)Hidemi Seto
新しい作品を創る意気込みを感じました
ライター ライフスタイリスト乃浬子
「制作発表の記者会見で、熊川ディレクターの並々ならぬ作品への熱意を伺ったときから、まだかまだかと初演を待ち望んでいたマダムバタフライ。
イタリアの巨匠ジャコモ・プッチーニの不朽のオペラを熊川哲也氏の手によってバレエ化されるなんて、日本人としてこんなに素敵で嬉しいことあるかしら。
さて、この作品は、幕末の没落武士の娘である蝶々さんが、アメリカからやってきた海軍士官ピンカートンと恋に落ち、愛を貫く毅然とした生き様を描いた世界的に有名なオペラです。
それだけにバレエ化には、思いもよらないご苦労があったとのこと。
(新作舞台に関しての苦労を語る熊川哲也さん。制作発表会にて。)
例えば、バレエはできる限り大きく、ダイナミックなムーブメントで表現するのに対して、和の所作はいかに繊細で慎ましい動きをすることで淑やかな女性を表現するかという、全く真逆なアプローチなんですね。
そんなお話を聞いたうえでの観劇ということもあり、ドキドキワクワク心から待ち望んでいた初日でした。
さて、内容はというと…
まずは、アメリカの海軍のシーン。
(C)Hidemi Seto
ブロードウェイミュージカルの『オン・ザ・タウン』『エニーシング ゴーズ』などを彷彿とさせる幕開け。そして次のシーンは長崎の遊郭街。オリジナルにはない 洋と和の対比を描くことで、オペラを超えて新しい作品を創る意気込みを感じました。
(C)Hidemi Seto
一転して後半は、プッチーニの美しいメロディに導かれるように、オペラのストーリに寄り添って、バタフライとピンカートンの愛のパドゥドゥなど美しいバレエが展開。ドラマティックなラストシーンも必見です。
なにより熊川哲也氏の素晴らしいトライアルとチャレンジに拍手喝采でした。
日本を超えて、世界中のバレエ団で踊り継がれていく珠玉の作品になっていくのでは。心から応援したい気持ちでいっぱいです。」
「マダムバタフライ」開催概要
さて、そんな「マダムバタフライ」は、2019年9月27日から、Bunkamuraオーチャードホール / 東京文化会館にて上演。
主催 TBS
会場 Bunkamuraオーチャードホール / 東京文化会館
日程 2019年9月27日(金)~10月14日(月・祝)
Tetsuya Kumakawa K-BALLET COMPANY Autumn 2019『マダム・バタフライ』
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過去記事:
宮尾俊太郎「熊川哲也さんと意見の対立は…」バレエ「マダムバタフライ」への想いを語る。制作記者発表会にて
Kバレエカンパニーのダンサーによる花魁道中!新作バレエ「マダムバタフライ」制作記念イベントにて
イベント動画 3本:
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