【奈良】教えたくない隠れ家レストラン!築130年の町家で大和野菜・大和牛「粟 ならまち店」

ライター ayan

大和野菜 赤カブ

大和芋、片平あかね、今市カブ、ひもとうがらし、結崎ネブカ、大和マナ、烏播…奈良県内で昔から作り続けられている野菜を、「大和伝統野菜」と言います。

そんな大和伝統野菜を、築130年の町家を改装した趣のあるお店でいただける「粟(あわ) ならまち店」。
昼も夜も、一席に一組だけ…というお店のため、予約が3~4週間待ちなんてことも珍しくない人気ぶり…。
今回は、そんな「粟 ならまち店」をライターayanが体験!訪問レポをお届けしたいと思います。

実は私、昨年年上の女友達にこのお店を教えてもらい、そのお料理の美しさとおいしさに感激。もう一度このお店に行くために奈良に足を運ぼう、と心に決めていたのです。

「ここのお料理を食べるためだけに奈良まで行っても惜しくない…」

奈良 粟ならまち店 ブログ 口コミ

スポンサーリンク

いよいよ「粟 ならまち店」へ

「粟 ならまち店」の格子戸の玄関を入ると、長い土間が奥へと続いています。
古民家を改装しているお店は、蔵のお部屋、坪庭の見えるお部屋、隠れ部屋のようなお部屋と、いくつかの部屋に分かれており、どこへ案内されるかも楽しみのひとつ。

奈良 粟ならまち店 ブログ 口コミ

今回は二階スペースのこじんまりとしたお部屋に案内していただきました。窓から見える庭には梅の花が咲き、奈良の春を感じられます。

お昼のメニューは、粟「収穫祭」御前(2,900円)、粟「大和牛と野菜」コース(3,900円)、粟「大和と世界の野菜」コース(3,900円)、粟「ならまち店」お昼のフルコース(5,000円)の4種類。(夜のメニューは、3,900円~5,000円の3種類。)

今回は、大和と世界の伝統野菜と、大和牛を十二分に味わえるフルコース(5,000円)を。
メインディッシュには大和牛のリブロースステーキ、旬の野菜の天ぷらもついた贅沢なコースです。野菜もお肉もたっぷり堪能できると、一か月も前から待ちわびていただけに、席に着くころにはもう期待値がマックスの私!

さて、コースの料理を順番に紹介していきますね。

色とりどりの野菜が楽しめる前菜

かごに盛られて運ばれてきたのは目にも鮮やかな前菜の盛り合わせ。
写真右端のガラスの器に入っているのは、柿のような甘みを持つ「黄金かぶ」のポタージュ。その名のとおり薄い黄色をしていて、乳製品はいっさい使っていないというのに、もったりとしたとろみのあるポタージュに仕上がっています。

奈良野菜レストラン おすすめ

その隣は、万木かぶ(ゆるぎかぶ)の甘酢漬け。
手前の薄緑色のお皿に盛られているのは、右から順に、ねっとりとした濃厚な食感が特徴の烏播(ウーハン)という種類の里、大和牛(やまとうし)のローストビーフ、赤一番という名の赤大根、くみ上げ湯葉と自家製のこんにゃく。この自家製こんにゃく、臭みが全然なくて、いつまでも噛んでいられそうなほどぷりぷりとした弾力のある歯ごたえで、日ごろ食べているこんにゃくと全然違うのに驚きました。

その上、黒っぽい器には、あっさり上品な味に仕上げた大和マナ(青菜)と油揚げの煮物。隣のミルククラウンのような白い器に入っているのは、緑大根とベビーリーフのミニサラダ。りんごのドレッシングがかかっていて、さわやかな味わいです。

その右側は大和牛のしぐれ煮、ほうれん草のお浸し。奥は、風呂吹き大根にほろ苦いフキノトウ味噌を乗せたものと、絹豆腐、中国野菜の一種である「紅芯大根(こうしんだいこん)。ほうれん草のおひたしは、えぐみがまったくなく、いくらでも食べられそうな優しいお味。

シャクシャク、パリパリ、ぷりぷり、とろ~り、じゅわっ…。それぞれの前菜は少量ですが、いろいろな食感と味わいを楽しむことができるので、目も舌も大満足できます。

野菜の天ぷら

前菜を食べ終えるころに、揚げたての野菜の天ぷらが運ばれてきました。
奥にあるのが今市カブの菜の花の天ぷら、手前は右側から、片平あかね、紅芯大根、紅くるり、レッドムーン(メークイン)、菊芋(キクイモ)の天ぷら。それぞれの野菜の味わいを楽しむため、シンプルに岩塩を付けていただきます。

大和野菜の天ぷら

片平あかねは、形が日野菜に似ていることから「ひのな」と呼ばれていた蕪ですが、平成18年に奈良県の大和野菜に認定されるのを機に、片平地区の住民の皆さんによって「片平あかね」という美しい名前がつけられたそうです。漬物、甘酢漬けにしていいただくことが多いようですが、天ぷらにしてもかじったときのあかね色が美しく、ジューシーな食感。

紅芯大根は、外側が薄い緑色、中が紅色をしたスイカのような色合いが美しい野菜です。
キクイモは、北アメリカ原産のイモで、菊のような黄色い花がつくことからキクイモと呼ばれていますが、見た目はショウガそっくりのごつごつしたお芋です。お芋だと思ってかじりつくと、レンコンのような固い食感とごぼうのような風味に驚かされます。

野菜の煮物

お次は、野菜の煮物。万木(ゆるぎ)かぶ、手作りこんにゃく、かぼちゃ、レッドムーン(メークイン)、黒丸大根、人参、凍り豆腐、カブ菜、粟ともち米の揚げ餅に紫大根の大根おろしを添えたものに、かつおだしに本葛(吉野葛)でとろみをつけたあんがかかっています。

大和野菜

色とりどりの野菜が並んだ器は、食べるのがもったいなくなるような美しさ!

とろりとしたあんもスプーンですくって、野菜といっしょにいただきます。優しいかつおだしの旨みがひとつひとつの食材に絡んで、何とも言えない美味しさです。
思わずまぶたを閉じて、舌の感覚に全神経を集中させてしまいました。

大和牛リブロースステーキ

お待ちかねのメインディッシュ、大和牛のリブロースステーキ! 陶板焼きでレアの状態で運ばれてくるのですが、立ち上る甘い脂の匂いが食欲をそそります。調味料は岩塩とぽん酢、そして付け合わせの焼き野菜用に金山寺味噌が出てきました。

大和牛 おすすめ レストラン

大和牛(やまとうし)は現在、奈良県中南部などで指定生産農家18戸が肥育しているそうですが、黒毛和種のうち、

・生後30か月以上肥育されていること
・14か月以上県内で飼育されていること
・出産前の雌に限ること

以上の3条件を満たしたもので、県や業者らで作る大和牛流通推進協議会が認定した牛のみを「大和牛」と言うそうです。通常の牛なら28か月以下で出荷できるのですが、大和牛は30か月以上でないと出荷できません。そのため一番えさを食べる数か月のコストが高くなるのですが、生産農家さんが長期にわたり手塩にかけて飼育されているそうです。

大和牛の特徴は、
赤みが強く、柔らかな触感。
繊細でありながら濃い味を持ち、コクと深みがある。

食べる前は「赤みが強いというけれど、けっこう脂身も多い?」と思ったのですが、実際に口に運んでみると、脂身が全然しつこくないのに驚きました。柔らかいのですが、いわゆる霜降りとは違っていて、赤身と脂身のそれぞれのおいしさが舌の上で溶けあう感覚。味が濃いので、噛みしめて味わいたいのに、柔らかく繊細なお肉を飲み込みたくなってしまいます。

私、あまり牛肉の脂身は得意ではなく、普段は残してしまうこともあるのですが、この大和牛のリブロースステーキは(いくらお腹がいっぱいでも残したくなくて)、最後の一口までしみじみと味わって堪能しました。今こうして思い出しながら書いていても、口の中が唾でいっぱいになってしまうほど、美味しいお肉でした!

ご飯、お味噌汁、香の物

ご飯は奈良県産「ひのひかり」に黒米を一割程度混ぜて炊いたお米。やや固めに炊かれており、噛みしめると素朴な美味しさが口の中に広がります。ちなみにご飯のお代わりは自由。あぁ、お野菜と大和牛でこんなにお腹がいっぱいになっていなければ、もう一膳食べたいところでしたが、さすがに無理でした。

奈良 粟ならまち店 ブログ 口コミ

お味噌汁は大和芋のとろろ落とし汁。最初はダンゴだと思った白いかたまりが、実は粘りの強い大和芋のすりおろしで、お箸でつかむとみょーんと伸びました。

デザート・お飲み物

デザートには酒粕のケーキに大粒の「ゆめのか苺」が添えられて出てきました。奈良県産の「ゆめのか苺」は酸味が少なく甘みが強いのが特徴で、水分たっぷりのジューシー!

奈良 粟ならまち店 ブログ 口コミ

一口サイズの酒粕のケーキは、やや固めでチーズケーキのようにみっしりと詰まった生地を楽しむことができました。ふわんと鼻に抜ける酒粕の香りが印象的で、食べ終わった後も舌の上に余韻が残りました。飲み物は、コーヒーか紅茶から選ぶことができます。

昼のコースに5,000円は贅沢かもしれないけれど、価格以上の満足感のあるコースでした。ごちそうさま!

「粟 ならまち店」に行くために、また奈良にきたい!

冒頭にも書いたように、粟ならまち店は、昼も夜もお客さんは一席に一組だけで回転をさせないため、時間を気にすることなくゆっくりと食事を楽しむことができます。貸し切り個室ではありませんが、部屋が複数に分かれており、一部屋のテーブルの数は少ないので、人の出入りもほとんどなく、隠れ家的な雰囲気。

奈良 野菜

スタッフさんもお料理を運んでくるたびに一つ一つの食材について丁寧な説明をしてくれるので、小さなお子さん連れや、手早く食事を済ませたい方には向かないと思いますが、めいいっぱい大和伝統野菜や大和牛など奈良のおいしい食材を楽しみたい方にはとっては、これ以上ないくらいのシチュエーションだと思います。

食材の色合いを目で見て楽しみ、食材の説明を聞いて期待に胸を膨らませ、匂いを嗅いで、咀嚼して味わう・・・。なんて贅沢で、美味しくて、幸せな時間なのだろうと思います。
築130年の町家の持つ雰囲気なのか、店内の空気もゆっくり流れているようでした。

奈良 粟ならまち店 店内写真

「粟ならまち店」に行くためだけに奈良に行っても良いと思えるほど、目も舌もお腹も心も大満足のお店。これ以上ファンが増えて、ますます予約が取りづらくなったらどうしよう…と思わないでもないですが、野菜好きな方にはぜひ一度行ってほしいお店です。

「粟 ならまち店」データ

住所:〒630-8363 奈良県奈良市勝南院町1番地
電話: 0742- 24- 5699

予約受付時間 10:00〜21:00
営業時間 11:30~15:00 (最終入店13:30 ラストオーダー14:00)
17:30~22:00 (最終入店20:00 ラストオーダー21:00)
定休日:火曜日
※予約制のため、事前に電話予約のこと。(ネット予約不可)

公式サイト

(この記事中のコース料理の内容は2016年3月のものです。料理の内容や使われる野菜は季節によって異なります。)

スポンサーリンク

ゴボーチェ sbxmas24n ピスタチオマニア パッケージリニューアル nouveau1123a 7111114a minimal1112a セバスチャンブイエさん 「ローソン」と「パンとエスプレッソと」コラボ新商品5種類 ル・グテ・ドゥ・ルノートル 笠原将弘氏が手掛けるカンロ飴コラボメニューが登場!恵比寿の「賛否両論」で期間限定 bubo0928bb アンリシャルパンティエ デセールフィナンシェ