兵庫の名湯「城崎温泉」。丹前と下駄で楽しむしっとり外湯めぐり
ライターayanです。
湯村温泉での荒湯生キャラメル体験のあとは、兵庫県といえばやっぱり外せない「城崎温泉」にやってきました。
「小説の神様」と呼ばれた文豪、志賀直哉の名作「城の崎にて」でもよく知られるここ城崎温泉。
しっとりした雰囲気の開湯1300年の歴史を持つ「城崎温泉」の魅力を、たっぷりお届けします!
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城崎らしい雰囲気が漂う純和風旅館「しののめ荘」
今宵のお宿は、城崎温泉らしい情緒あふれる雰囲気の和風旅館「しののめ荘」。
木造3階建ての城崎風情ただよう純和風の佇まいのこの旅館、「城崎のメイン通りを散策するにはもってこいの場所」にありながら、一本道を入った静かな環境に位置しているために、しっとり静かに城崎の夜を楽しみたいという方にピッタリ。
純和風の客室が風情満点
しののめ荘本館の純和風の客室は、それぞれに趣の違うお部屋が全17室あります。
今回私は7~8人は泊まれそうなこのお部屋に贅沢にも一人寝をしました。
こんなお部屋のほか、最大20畳のお部屋もあるそうで、家族や大人数での旅行でもゆったりくつろげそうです。
食事も素敵。やっぱり冬の味覚は松葉ガニ!
鳥取であれだけ松葉ガニを堪能した私ですが、城崎温泉でもやっぱり冬の味覚といえば、松葉ガニは外せません!
今回もカニ刺し、カニスキ、焼きガニ、カニの天ぷら、カニ酢…と、松葉ガニを贅沢に味わってきました。
食前酒として自家製の梅酒をいただいた後は、先付けの抹茶豆腐をつるり。
前菜はなまこ真丈、柚子、梅人参、青味大根。彩り鮮やかで、お味はもちろん、目でも楽しめるのが女子旅には嬉しいポイントですね。
お造りはカニ刺し。
私、カニのお刺身ってあまり食べたことがないのですが、このカニ刺しはびっくりするぐらい甘みが濃厚。
ちゅるんっとした食感が、最高でした。舌の上で溶けていくのがもったいなくて、いつまでも余韻を楽しんでいたくなるほど。
日本海からすぐの城崎温泉だからこそ、こんなにも新鮮でおいしいカニ刺しが食べられるのでしょうね。
お酒は、但馬の地酒「香住鶴(かすみつる)」のものをいただきました。
兵庫県の旧香住町にて古来より伝わる日本酒の製造法「生酛(生もと)造り」にこだわって、独特の風味を造り上げている酒造メーカーなんですって。
そんな香住鶴の「山廃仕込 快鮮冷酒(かいせんれいしゅ)」は、アルコール分軽めの軽快なお酒で、冷酒でいただくのがおすすめとのこと。
そして…但馬といえば「出石そば(いずしそば)」。小ぶりサイズが女性には嬉しい。
カニスキや焼きガニ、天ぷらの後で、「もう入らないかも~」と思いながら手に取りましたが、上にのったとろろといっしょに、さっぱりツルツルッといただくことができました。
城崎温泉 しののめ荘 データ
岩風呂とカニ味の宿 城崎温泉の旅館 しののめ荘
住所:〒669-6101 兵庫県豊岡市城崎町湯島 757
電話:0796-32-2411
FAX:0796-32-2589
城崎温泉に泊まったら、丹前に下駄で外湯めぐりを楽しみたい!
おいしい松葉ガニと出石そばでお腹がふくれたあとは、浴衣に着替えて丹前(たんぜん)を羽織り、下駄をカランコロンと鳴らしながら、城崎温泉の散策と外湯めぐりへ。
宿泊先である「しののめ荘」の、野趣あふれる巨岩を配した岩風呂も楽しいけれど、やーっぱり外湯めぐりはハズせませんよね。
城崎には7つの公衆浴場があり、ゆかたと下駄の姿で巡ることが古来より名物となっています。
7つの外湯とは、美人の湯「御所の湯」、開運招福の湯「一の湯」、衆生救いの湯「地蔵湯」、子授けの湯「柳湯」、ふれあいの湯「さとの湯」、しあわせを招く湯「鴻の湯」、一生一願の湯「まんだら湯」の7つ。
一晩で7つの外湯をまわるのはさすがに難しそうですが、2つ、3つとお風呂のハシゴをする人は多いのだとか。外湯のハシゴを楽しむには、ひとつのお湯で長湯をせず、パッと入って次のお湯へと移動するのがコツのようです。
7つの外湯の共通情報
効能:神経痛・筋肉痛・うちみ・慢性・消化器病・痔病・疲労回復 他
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・高温泉
温度:42℃
まずは、美人の湯と言われる「御所の湯」へ
ツアーガイドさんに「一晩で7つの外湯を全部まわるのは無理なので、おすすめの外湯を教えてくださいっ!」と尋ねたら、「女性なら、御所の湯がイチオシです。」とのことだったので、まっさきにここへ。
御所の湯は、後堀川天皇の御姉安嘉門院が入湯されたという由来により名付けられた外湯。京都御所を思わせる建物は、どことなく雅やかな雰囲気です。屋内の浴室は桧風呂と岩風呂で、地元産丸太をくみ上げてガラス風呂にした「天空風呂」。一の滝、二の滝、三の滝を設けた野趣溢れる「滝の露天風呂」では、大きな滝を眺めながら寝湯も楽しめます。
きれいで開放感のある「御所の湯」は、ガイドさんが女性には特におすすめというのも納得の外湯でした。
■御所の湯データ
営業時間/AM7:00~PM11:00
定休日/第一・三木曜日
料金/大人800円、小人400円(小人は1歳から小学生)
お次は、「一の湯」へ
江戸中期温泉医学の創始者後藤艮山の高弟香川修徳がその著「薬選」の中で当時新湯といったこの湯を、天下一と推賞したことから名づけられたそうです。
桃山様式の歌舞伎座を模した建物で、内部には岩をくりぬいたような半露天の洞窟風呂のほか、貸切風呂もあります。降りしきる雪を眺めながら入る半露天の洞窟風呂は、なんとも風情があって素敵。「一の湯」は城崎温泉のほぼ中央にしているので、いつも外湯めぐりのお客さんでにぎわっているそうで、私が行った晩にもたくさんの人がお風呂を楽しんでいました。
■一の湯データ
営業時間/AM7:00~PM11:00
定休日/毎週水曜日
料金/大人600円、子供300円
「御所の湯」と「一の湯」、ふたつの外湯を楽しんだ帰りみちは、体も芯からぽかぽかで、降る雪もなんのその。これぞ冬の城崎温泉の醍醐味ですね。
なお、7つの外湯はそれぞれ各外湯で料金を支払ってもOKですが、「ゆめぱ」というデジタル外湯券(大人1,200円、小人600円)を購入すると、7つの外湯にその日何度でも入り放題になるので、外湯のハシゴをしたい方はこれを使うのがお得で便利。「ゆめぱ」は各外湯で販売しています。
城崎温泉の多くの旅館では、宿泊者に印刷されたバーコード外湯券を配布しており、今回私も「しののめ荘」でもらったバーコード外湯券を持って外湯めぐりを楽しみました。
美味しいカニに舌鼓を打ち、浴衣に丹前を羽織って下駄をカランコロンと鳴らしながら、外湯めぐり。城崎温泉は一晩ではとても楽しみきれないので、今回まわりきれなかった外湯を楽しみに、もう一度訪れたい場所です。
ちなみに、城崎温泉は外国人旅行者にも人気の旅先ですが、大人数を収容できる大規模旅館があまりないため、団体ツアー御一行様はあまり来ず、個人手配の一人旅、またはカップルや少人数のグループが主流とのこと。
「しっとり」という言葉の良く似合う、情緒あふれる城崎温泉の雰囲気を気に入って、二度三度と足を運ぶ外国人旅行者が多いというのも、わかる気がします。
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