熟成期間が違うコンテチーズを食べ比べてみた!「若め」「夏作り」「長期熟成」
「世界最優秀フロマジェコンクール」で優勝経験を持つ、ファビアン・デグレさんに教わる「コンテチーズ」オンラインセミナーに参加しました!
デグレさんは10年間日本のチーズ専門店で勤務し、「世界最優秀フロマジェコンクール2015」での優勝を経てフランスに帰国後、今年自身のチーズショップを開店したチーズのスペシャリスト!
今回はそんなセミナーで教えてもらった、
・そもそもコンテって?
・熟成期間による味の違い
・簡単おつまみレシピ
をご紹介したいと思います!
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そもそも「コンテ」とは?
「コンテ」は、1000年以上前から作られている、長期保存可能なハードタイプの熟成チーズです。
コンテのふるさとは、スイスに隣接するフランス東部のジェラ山脈一帯。
モンベリアード牛の生乳を使い、添加物を一切加えず職人の手により丁寧に作られています。
コンテを作る人々
1.モンベリアード牛は、広大な土地で放牧され、人の手により搾乳されます。
それらを手掛ける2500の酪農家は、単なる牛乳の生産者ではなく「コンテの生産者の一人」としての誇りを持っています。
2.そしてその新鮮なミルクは、近隣にある酪農家が所有するチーズ製造の協同組合「フリュイティエール」と呼ばれる工房に集められ、チーズに形成されます。
3.その後、熟成庫に移され、「アフィヌール(熟成士)」によって熟成されます。
最終的に、厳しい規則で品質を認められたもののみ、コンテチーズのラベリングが許されて市場へと。
こうして、酪農家×チーズ職人×熟成士 3者のプロの作り手により、最高のコンテチーズが生まれるのです。
美味しい食べ方、楽しみ方
コンテの適温は、15~18度。事前に冷蔵庫から出しておきます。
切り方やテイスティング方法、保存方法
テイスティングするときは、いわゆる、フライドポテト型にカットするのがおすすめ。
皮は衛生面を考えると、基本食べないのがお勧めだそうなので、端っこギリギリで切り落としておきます。
残ったチーズを保存する時は、クッキングシート(なければアルミホイル)で包み、その上からラップで包みます。
ポイントは、直接ラップを使わないこと。
*さらに詳しい基礎知識は、「これさえ読めば「コンテ」がわかる!基礎知識、味の違い、楽しみ方、保存方法」の記事をご覧ください。
ちなみに…私たち一般消費者にはあまり関係ない話ですが、セミナーでは熟成度のチェックの方法や、
ホールのチーズを、専用のワイヤーカッターでカットする様子も見せていただきました。
スルスルッととてもきれいに切れるのが、ほんとに不思議!
熟成期間による味の違い
そして、いよいよコンテチーズのテイスティングへ。
今回用意していただいたのは、
1.若めの冬作りのコンテ(2020年2月製造)
2.フルーティーな夏作りのコンテ(2019年8月製造)
3.長期熟成された冬作りのコンテ(2018年12月製造)
の3種類。
1.若めの冬作りのコンテ(2020年2月製造)
牛が干し草を食べている冬の間に作られたコンテはアイボリー色。若いコンテは弾力があってミルクの風味が強いです。
白ビールやにごり酒によく合います。蜂蜜やジャムを合わせるのもお薦めとの事。
2.フルーティーな夏作りのコンテ(2019年8月製造)
放牧された牛がフレッシュな草花を食べている夏の時期に作られたコンテは、黄色っぽい色合い。
アプリコットや柑橘系のフルーツなど華やかなアロマが感じられ、また長期熟成されたコンテ特有のアミノ酸の結晶があり、濃厚な味わいが感じられます。
なるほどいただいてみると、乳製品のコクを感じました。
シャンパーニュ(ブラン・ド・ブラン)や白ワイン(シャルドネやサヴャニャン)、日本酒(山廃、生もと、ひやおろし)などと合うそうです。
3.長期熟成された冬作りのコンテ(2018年12月製造)
凝縮されているため弾力性はほぼなく、深い旨味があり、余韻も長く感じます。ロースト系や柑橘系、焦がしキャラメルや、焼いたバターなど複雑なアロマ。
ウィスキーや、ジュラ地方の黄色ワイン(ヴァン・ジョーヌ)、苦みと酸味のあるビール(IPA)や黒ビール(スタウト)などと食後にゆっくり少しずつ味わうのがお勧めとの事!
簡単おつまみレシピ
そして最後には、コンテを使った簡単なおつまみレシピの紹介も
コンテとチョリソー、ローズマリー風味
ドライサラミをくるりと撒いてローズマリーをあしらいます。
ブラックペッパーをかけて完成。
チョリソーの塩味や辛味と、チーズの奥深い香りがとてもシークに絡み合いそう!
ビールや赤ワインがお薦めとの事でしたが、ライターは、ハイボールや、ブランデーにもチャレンジしてみたいなと思いました。
コンテとキャラメル、黒胡椒がけ
そしてこちらはコンテとキャラメル、黒胡椒がけ。
ウィスキーや黒ビールによく合います。
また、リンゴとの組み合わせもおすすめです。
コンテとリンゴを同じ大きさに切って、見た目の同化と、食感の対比を楽しみながらいただきます。
おともには、クルミ入りライ麦パンと、ナッツ。そして赤ワイン。ブランチに。
ということで、コンテチーズのレポート、いかがだったでしょうか。
普段何気なく口にしているコンテですが、築き上げられてきた歴史や、生産者さんのこだわりなど、ここに至るまでのプロセスを知った上でいただくとより美味しく楽しむことができますよね。
ぜひ、この夏は、新しいチーズの世界を堪能してみてください!
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