歴女必見!大山寺と精進料理を楽しむ【特集:女子旅とっとり(7)】
【特集:女子旅とっとり】 第5回
鳥取市内から、中部エリア、そしてさらに西に移動して、大山町や米子がある地区に参りました。
このエリアは、”日本の名峰と言えば必ず上位にランクインする「大山(だいせん)」”がある場所。
今日からはこの周辺の観光スポットについてご案内していきたいと思います♡
この記事でご紹介するのは…大山寺と、その中で最古の建造物である大山寺阿弥陀堂、それから精進料理がいただける宿坊観証院 山楽荘です。
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大山寺
大山のふもと、かつて天台宗山岳仏教の修業の場として名を知らしめた大山寺にやって参りました。
大山寺入り口の長い参道は、約700メートルあって、自然石で作られています。
看板によるとこの道は「日本一長い石畳の道」とのこと。
平安時代以降、仏教の広まりとともに力を増し、最盛期には100を超える寺院と3000人以上の僧兵をかかえるほどだった大山寺。
代々歴史を引き継いできた住職さんのお話では、天台宗といえども派閥があり、派閥間しょっちゅういざこざを起こして焼き打ちをし合うなど、なかなか勝ち気な住職・僧兵ぞろいだったのだとか。
しかし明治の神仏分離・廃仏毀釈をきっかけに衰退の一途をたどり、現在は、参拝堂と10の支院を残すのみに。寂れた雰囲気が当時の栄華を伝える史跡として残っていて、歴女にはたまらない感じになっています。
宝牛
大山寺本堂近くには「宝牛」が座っています。
リアルですよね。参拝者がなでるのでおでこと鼻先の顔の色が変わっていました。
これは「宝牛を触りながら1つだけお願いをすると叶う」という言い伝えのため。
昔は牛の霊を慰めるため、鼻につける銅を鋳造したもので、別名「撫牛」。
参拝者の男性が「結婚を願おうか、仕事のことを願おうか迷うなあ」と真剣に悩んでいたのが印象的でした。
大山寺阿弥陀堂
さて、そんな大山寺に現存する寺院の中で、最古の建造物はと言えば、「大山寺阿弥陀堂」です。
平安初期に創建、藤原期に建立されたもので、1529年に山津波で倒壊。
室町時代に再建されたものです。
「昔から地域の人々がここに来て説法などを聞いたのでしょう。現在も当時のまま、電気もついておらず、冷暖房の設備もないんです」と住職さん。
現在は、修学旅行生や企業の合宿などで利用されているんだそうです。
当時のままというだけあって、床は冷たくて固くて、阿弥陀様のお姿も暗闇にあってある種神秘的な雰囲気も…。
住職さん:「菩薩さんたちが念願の如来様になるのに、どれだけ修業が必要かというと、56億年以上と言われてまして、しかし現在は地球が誕生して46億年と言われておりますから、修業がどんなに長いものか、如来さんになるのがどんなに大変なことかがわかると思います。
その間にも、菩薩さんは功徳を積む必要がありますから、人間の願いを叶えたり、救ったりさまざまなところで、人間界で活躍してくださっているんですね」
仏の世界もなかなか厳しいものがあることを学びました。
「蓮というのは、どろどろの泥沼の中で根を張ります。
人間界が汚いところとは言いませんが、菩薩さんたちはどろどろした世界で人々を救い、功徳を積み、いつか美しい花を咲かせようと精進し、智慧を身につけようとするシンボルになっています」
なるほど、だから如来さんや菩薩さんは、手に蓮の花を持ってるんですね。
「智慧とは、仏さん世界のもので、人間界では知惠と言います。
たとえば1つのケーキを兄弟で分けるとき、お兄ちゃんは平等になるように一生懸命真ん中から切ろうとして、弟くんはできるだけ大きい方を選ぼうとしたりします。これが我々の世界の知惠というものでしょう。
仏さんの知惠は違います。お兄ちゃんが弟に、好きなだけ食べなさい、といいます。弟くんはよろこんでパクパク食べますが、はっと気づくんです、あ、お兄ちゃんも食べたいだろうな、と。そしてお兄ちゃん、どうぞ、と残りをよこす。お兄ちゃんは、いやいやもっと食べていいよ、という。これが智慧です。これが慈悲です。思いやりの気持ち。私たちももう少し慈悲の心を持って暮らせるようになると、世界はもう少しまるくなるのではないでしょうか。」
短い間に、多くを学ぶとっとり女子旅です。
住所:鳥取県西伯郡大山町大山
電話:0859-52-2158(大山寺)
営業時間:境内自由(堂内は予約制)
料金4月から11月の毎月18日のみ一般公開(午前9時30分から午後3時30分)1名200円
※それ以外の日の堂内拝観(要予約)1組3,000円
座禅体験 要相談
山楽荘
さて、秋の板の間は厳しく、冷たくなった足先を暖めたいと思っていたら、ちょうど時間はお昼どき。
大山寺の斜め前に位置する「宿坊観証院 山楽荘」でお昼をいただきます。
お寺ですから、殺生はいけません。大山寺伝統の精進料理をいただくことになりました。
完全予約制。住職さんと女将さんだけが代々引き継ぐ秘伝の「山菜精進料理」なんです。
こちら、山楽荘は、およそ400年の歴史を誇る大山寺の宿坊です。
肉や魚卵乳製品を使わないお食事で、山楽荘では健康と長寿を願って創った「大山百菜食」が食べられます。これを食べれば100歳まで元気に生きられるくらいというヘルシーでありがたいお食事。
ふきのとう味噌、よもぎ麩、むかごからし和え、なめこみぞれ和え、柚子皮甘露煮、平茸木の芽佃煮などおいしそうなモノが並びます。
山イカ刺し、生湯葉。イカ?…もちろん他の食材(クズ)で作っているんですよ。
赤米雑炊ふう、なめこ、柚子も美味しそう。さらに、精進蒸し豆乳し立て、豆腐、山芋、ボタ平、春雨、精進ぽん酢…
紅葉の天ぷらなんかは、風流を通り越して芸術の粋。しかも歯応えサックサク。抹茶塩でいただきました。
(なめこ、平茸、舞茸、みょうが、砂丘長芋、干し柿、紅葉、抹茶塩)
精進料理というと、なんとなく薄味で、味気なくて、お腹もいっぱいにならない、みたいなイメージがありますが、山楽荘のお料理は精進料理のイメージを180度ひっくり返します。
なにしろどれを食べても上品で豊かな自然の味がして、ボリュームがあるのなんの。
最後のほうはもうホントにお腹ぱんぱん。
これすべて住職さんと女将さんで作っていらっしゃるんですって。びっくりポンや。
「精進料理って、本当はこんな感じなんですか?!」と聞いてみたところ、「実際の精進料理は修行僧が食べるものですのでもっとずっと質素ですが、こちらのお料理は精進料理のおもてなし料理といえます」とのこと。
まったく心よりのおもてなしを頂戴しました。ごちそうさまでした!
住所:〒689-3318 鳥取県西伯郡大山町大山14
電話:0859-52-2006
昼食(春〜秋) 3,240〜5,400円 *前日予約
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